塾探しに便利なのが塾のランキングサイトです。
気になる塾の口コミを見たり資料請求をしたりで使われている方も多いと思います。
当塾も現在は掲載していますが、昨年までは掲載をやめていました。
少しそのことについて触れてみたいと思います。
私は6年前に異業種から塾業界に飛び込みました。子供が3人いるのでしっかり利用者としてお世話になっていました。全く畑違いの業界に飛び込んだのはなぜというのはまたの機会として、開業したての頃は右も左もわからず、生徒は初期に入会してくれた4人という状態がしばらく続きました。
資金は底をつきそうになるし、集客方法はよくわからないし、面談に結びついてもうまい言い回しが出来ないために、せっかく来校してくれた方々を不安にしたかもしれません。とにかく不安でした。
そんな右も左も分からない私にはランキングサイトは強い味方だと思っていました。
しかし、色々わかってくるうちに「なんだか変だな？」と思うことが多くなっていました。
集客の９割はランキングサイトからですがそのうちの９割以上が入会に結びつかないのです。
来校していただけるのであれば、私の実力不足ということで納得できるのですが、連絡が取れない、または連絡しないように本部から連絡が来るだけということが非常に多いのです。
もちろん、ランキングサイトは営利団体の会社組織です。最大手のI社は年商40億円以上で営業利益13億円以上という超優良企業です。
主な収入は紹介料です。
詳細は避けますが、１件の紹介で結構な高額請求が来ていました。
夏の繁忙期ともなれば6桁の請求が来ていました。都会とはいえない場所にある当校ですらです。
そのうち９割以上が入会に結びつかないのです。
原因は色々あるでしょう。大きな要因に気楽に複数校請求できるという点です。
1校資料請求しようとすると、この辺りも併せてどうですか？４件以上比較検討した方がいいですよ！と複数校のクリックをサジェストしてきます。
「ついでに」感覚でI社に高額収入が入るという仕組みです。
もう一つの収入源は広告料です。
しかし、このサイトにはバナー広告がほとんどありません。
なぜでしょう？
ランキングを操作しているからです。
ちなみに東郷駅周辺の塾の口コミの星の数は
1位 3.64
2位 3.73
3位 3.60 です。
そもそも口コミも削除されていたり掲載されなかったりしているようですが、このランキングは広告料をたくさん払っているランキングと考えるのが自然な気がします。
口コミも入塾したばかりでよくわかりませんというコメントが目立ちます。
そうです。入塾して好印象なうちに塾側からレビューをお願いしていたり、ランキングサイトの入会で図書カード5000円分としてサイトに再誘導しレビューをサジェストしてくるからです。大口取引先の低評価や、ライバル校の高評価は掲載しないとかも営利団体なので当然あることでしょう。
ネット記事もそうですが、出どころも書いた人もよくわからないレビューなんて話半分くらいで聞いておくのが良いのでしょう。
こんなことがなんとなくわかるようになってきたので、塾生が安定してきた3年目に掲載をやめてしまいました。
もちろん、９割の誘導を失うのは怖かったです。掲載ストップはかなりの勇気は必要でした。
結果的には入会者はほとんど変わらないどころか、昨年は塾生の人数は過去最大となりました。
AIタブレットの導入や近隣N社の衰退などの要因もあると思いますが、掲載しなくなったことによる、無駄な経費と無駄な仕事というストレスから解放されました。
では今なぜ使っているのでしょう？
本部の方針が変わり、ロイヤリティに組み入れのその他諸々とセットの定額制になったからです。
少なくとも高額な紹介料が不要というだけでストレスが全然違うのでどうにか諦めがつきます。
久々にランキングサイトに掲載することになり、問い合わせは増えましたが不通が多いのはそのままでした。今日も１件つながりませんでした。
グルメサイトも同じだと思いますが、どこでどんなお金が動いているのかを考えると違った視点で見ることができると思います。
もちろんこの手のサイトが悪いとか無くしてしまえとか思っているわけではありません。
少し言葉を選んでいうのであれば「必要悪」でしょうか…
しかし、営業利益率が30％って、すごく儲かる最高なコンテンツですね…
最後に、私の好きな小説に書いてあった一節です。
「世の中に飛び交っている情報ってものには、必ずベクトルがかかっているんだ。つまり誘導しようとしていたり、願望が含まれていたり、その情報の発信者の利益をはかる方向性が付加されている。それを差し引いてみれば、より本当の事実関係に近いものが見えてくる」
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