前回の記事で少し触れましたが、今回は高校1年生の初めての順位確定後のケアについてです。
小学生では自分の学力の立ち位置はぼんやりしていて、「あの子は頭がいいよね」程度だったと思います。
中学に入ると○点〜△点に何人というように自分のおおよその立ち位置がわかってきます。
そして中学3年生で始めて他人から自分の努力をジャッジされる「受験」を経験します。
高校に入ると今まで地域で集まっていた中学とは違い、学力や専門性によって集まった学校になり、順位もクラス順位、学年順位が明確になります。
それぞれが子供にとっては大きな経験となり大人になっていくのだと思います。
学生にとって学校は社会そのものです。その中の優劣(この言葉が適切とは思いませんが)によって、学校での行動に変化が出てくると思います。
だからこそ、この時期のコミュニケーションは大切で、中学からお預かりした生徒さんに少なくとも高校1年生の1学期まで通塾をお願いしているのです。
少しわかりやすく図にしてみました。進路などは福岡県第4学区の公立中学校に通う生徒のあくまでも目安であるとご承知ください。
主に宗像高校などに進学し、成績が下位になってしまった生徒さんを対象に説明をしている資料です。
「学校内では今回は悔しい結果になったけども、他校も含めた全体像では大きく変動をしているわけではないから、がっかりせずに今日習ったわからないことを明日に持ち越さないという基本を徹底しなさい。」と話しています。
上位校に行った生徒さんはこの状況になった時に、変な諦めをしてしまったり、自分より下の生徒を探し現状から目を背けようとすることがあります。
せっかく頑張って入った高校なのに勿体無い話です。
当校に残ってくれた生徒さんは3月から入学までの過ごし方と入学後から中間テストまでの過ごし方をコミュニケーションしています。
図の赤丸の部分が大切で受験が終了して厳しい受験勉強を乗り越えているので、周りも含め「遊びなさい」という雰囲気が出ます。悪いことではないのですが、せっかくついた学習習慣を途切れさせてしまうことはもったいなく、たとえ上位で合格していてもこの期間で簡単に学力は落ちます。中学で順位を10位落とせば高校進学後は上位と下位の差になるということです。
実際に当校の生徒さんで、宗像高校に190点未満で合格した生徒さんや推薦合格した生徒さんでも30位以内の生徒さんは少なからずいます。力を抜いても途絶えさせることをしなかったからだと思っています。
保護者の方によく、ギリギリ合格するくらいなら1ランク下げて受験した方がいいのですか?と聞かれますが、答えは「否」です。
最も大事なのは高校卒業後の希望でどのような大学に行きたいかによって学校を決めるべきです。
上位合格した生徒さんが上位で卒業する保証があるわけでもなく、ギリギリ合格の生徒さんが下位のまま卒業するわけがないのです。
勉強を教えたり成績について叱責することが塾や大人の役割ではないと思っています。
特に高校生ともなれば本人が一番良くわかっているのですから、わざわざ追い討ちをかける必要はないのだと思います。
この状況はあくまでも高校1年生の前半のみです。
上位校でも下位に居続ければ中堅高の上位生徒には遠く及ばず、下位の生徒とあまり変わりません。プライドだけ高く逆に進路を間違ったり失ったりするのでご注意してね。と付け加えてお話を終わっています。
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