私が日頃生徒とのコミュニケーションをとる中で、気をつけていることがある。
「手段」と「目的」をはっきりさせることだ。
サラリーマン時代ももちろん気をつけていたが、塾ではその対象が生徒になるので慎重にお話をしている。
塾の教育理念の中に「人格の成長」というものがあるからだ。
これは、私の大切な仕事の一つだ。
成績が伸び悩んでいる生徒さんの多くが本来「手段」であるべきものが「目的」になっている。
学生さんの中でよくある例は、宿題で多くの学校に採用されている「自学ノート」がこれにあたるだろう。
宿題とは本来、その日に学習した内容を定着させるためにするべきことだ。
これが「目的」である。
前出の生徒たちは提出することが「目的」になる。
だから、先生に綺麗な状態で提出しようとして答えを写してしまったり、教科書のまとめを作ってしまったり、同じものを何度も書いてノートを埋めるという作業に走ってしまうのだ。
本当は綺麗に描く必要はなく、その日に習ったことのワークの問題や塾や市販の問題集から類題を選びチャレンジするのが良いはずだ。
その日に習ったことをその日のうちに確認をすることは脳科学的にも非常に効率が良く、「自学ノート」は最も有効な学習方法の1つと言える。
学校の先生も本来の意味を思い出して、自学の意味をきちんと理解してもらえば仕事が減るはずだ。埋まっていることを良しとする先生があまりにも多く残念な気分になる。
言うまでもなく、日々の積み重ねは受験生になるころ大きな差となって現れてくるのだ。
自学ノートに限らず、定期テストの勉強や模擬試験なども「これ、なんのためにやっているのだろう?」と考えながら本来の目的が達成されるように有効に使ってほしい。
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